「ルーピー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンド」~鳩山由紀夫がイカれているわけ 完全版(但馬オサム)

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但馬オサム 未発表テイクシリーズ(2)

「ルーピー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンド」~鳩山由紀夫がイカれているわけ 完全版

当ページの内容は、未発表部分を含む完全版です。

第93代内閣総理大臣 鳩山 由紀夫

「国家」を持たない総理大臣

この男が何かを喋るたびに、いや、呼吸をするたびに、国益がどんどん失われていく、そう歯ぎしりをしている読者も多いのではないか。その男とはいうまでもなく、元内閣総理大臣・鳩山由紀夫である。それにしても、このような痴れ者(しれもの)が、一年間とはいえ日本国の首相であったという事実に、今更ながら背筋のあたりに寒くなるものを感じずにいられない。

そもそも、沖縄辺野古の基地移転問題にしても、これをこじれにこじれさせた原因は、ひとえにこの男の無責任で優柔不断な言動にある。その元凶でもある人物が、しれっと移設反対デモに参加し座り込みの先頭にいるのだから、声を失った。おそらくこやつのツラの皮はキチン質でできているのに相違なかろう。さらには、ソウル西大門刑務所歴史館や釜山大学への土下座行脚、「新天皇は訪韓し謝罪すべき」という仰天発言、そして、今回の「放射能オリンピック」云々の個人ツイートにいたっては、とにかく現政権と日本、日本人を貶めることを余生の生きがいにしているのではないかとも思えてくる。

「日本列島は日本人だけの所有物ではない」「国益は大事だが、地球益はもっと大事だ」といった過去の発言から見ても、なるほど、宇宙人を自称するだけあって、この男のヴィジョンに「国家」という概念はない。「国家」観を持たない男が、国家を背負うべき首相の座にあったということ自体、悲劇を通り越し歴史の喜劇として未来永劫語りつがれることだろう。その意味で、鳩山由紀夫は確かに名を遺したのである。

単なるグローバリズム、博愛主義、あるいは理想主義というには、彼の思考(?)はどこか浮世離れ、ある意味、神がかり的でもある。それに関して思いだすのは、総理時代の2009年11月5日の衆議院予算委員会で、自民党・稲田朋美議員から在日韓国人の地方参政権付与についての考えを問われての、「宇宙が出来て137億年、そして地球が出来て46億年が経っている。その中で、地球はまさに生きとし生ける者、人間のみならずすべての生命体、ある意味では生命がないものに対しても存在しているものだと思っております…」で始まる意味不明の大演説である。もしかして、この宇宙人首相は、外国人ではあきたらず、すべての生物、さらには無機物にまで参政権を与えるべきだという考えをお持ちなのだろうか。なるほど、われわれ地球人の思考をはるかに超越している。あれには質問した当の稲田議員もあっけに取られていた。

サイエントロジー信者?と報道された鳩山幸(みゆき)

鳩山由紀夫の宇宙人思想の形成を語る上で、無視できない人物がいる。他ならぬ鳩山夫人、幸(みゆき)氏である。

「朝起きると、太陽をパクパクパク食べちゃうの」「眠っている間に魂が三角形のUFOに乗って金星に行ってきた」(ともに、テレビ東京『美女放談』2009年4月30日放映での発言。当時、夫・由紀夫は民主党幹事長。同年9月、首相に)。

鳩山夫人「太陽をねパクパクパクって食べるの」
8分15秒あたりから。それまでは鳩山由紀夫氏との馴れ初め話。愛理苦笑。「太陽をちぎって食べるの」「眼をつぶってのんのんのんって」「最近主人もするようになりました」

彼女のこういった奇矯な発言は、日本では、いわゆる「天然ボケ」の範疇に処理され、おおむね好意的に受け入れられてきたが、海外ではその限りではなく、英ガーディアン紙(2009年10月22日付)などは「日本の新しいファーストレディ(当時)はサイエントロジー教団の信者では?」と、あくまで「?」つきの論調ながら興味深い記事を載せていた。幸夫人が「前世で友人だった」といってはばからない俳優のトム・クルーズはサイエントロジーの熱狂的な信者でかつ有力な広告塔として知られている。

サイエントロジーについて筆者は、多くを知らないが、教団の名称や教義に登場する「宇宙邪悪神ジヌー(XENU)」「魂セイタン」といった呼称のセンスから察して、ニュー・エイジ系のカルトであることは論を俟(ま)たないだろう。ニュー・エイジ(new age)とは、オカルト思想(神秘学)と疑似科学を止揚(しよう)した宗教グループの総称といえば、わかりやすいかもしれない。神を「宇宙人エロヒム」、イタコを「チャネラー」、などと疑似科学的(SF的といってもいい)な呼称(多くは造語)に言い換えるのをひとつの傾向としていて、東洋哲学や地球を巨大な生命体と仮定するガイア論からも彼らは多くの示唆を受けている。

この系統で有名なカルトに、ラエリアン・ムーブメントがある。その真偽は不明だが、彼らが、2004年と2005年に「クローン人間」を創り出したと声明を発表し世界を騒がせたのもまだ記憶に新しい。

このように、片足のつま先程度を「科学」に突っ込んでいるのが彼らの特徴であり、信者の中心は中流以上の家庭環境に育った高学歴者で、とりわけ理系エリートが目立つ。その意味では、オウム真理教も多分にニュー・エイジの流れを汲んでいるといえる。もともと科学万能の信奉者だっただけに、科学の限界を知ったとき、「科学の外にある何か」にいともたやすく惹かれていくのだろうか。また、環境保護団体や自己啓発セミナーなどに擬態しているニュー・エイジ系カルトも少なくない。

元首相が風評被害の片棒を

鳩山由紀夫に関すれば、東大工学部卒、米スタンフォード大で博士号を修得しているという、まさに理系エリート中のエリートである。

その理系エリートの元首相が、どのような科学的データーの裏付けをもって、来る2020年の東京オリンピックを「放射能オリンピック」と呼ぶのだろうか。実はこれ、彼も認めているように、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)なる団体の、ドイツ支部による反五輪キャンペーンの無批判な受け売りに過ぎないのである。この団体、2013年に「インドとパキスタンによる核戦争で世界は飢饉に陥り20億人が死へと追いやられ、人類文明は終焉を迎える」と予測する「研究結果」を発表しているところを見ると、どうも終末的な不安を煽ることで注目を集めるのがお得意のようだ。IPPNWがそうだというのではないが、ニュー・エイジと終末思想の相性がいいのも事実である。

ちなみにIPPNW日本支部のHPのトップページには、「一部報道について」と題して、こうある。

《「東京オリンピック・パラリンピック2020」について、「放射能オリンピック」とのキャンペーンは、IPPNWの支部の一つであるドイツ支部が始めた活動のようです。これについてIPPNW本部において特段の議論が行われたことはありませんし、IPPNW本部からも本件活動に関与していないとの回答を得ました。また、IPPNW日本支部としてはこの活動に全く関与しておりません。》

おそらく、件(くだん)のツイッターを受けて、マスコミからの質問が殺到したのだろう。元総理大臣も人騒がせなことこの上ない。はっきりいえば、風評被害拡散の片棒を担いだと同じことである。

(次のページに続きます)

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