The Repatriation Movement of Ryukyuans’ Human Remains –
・Nirai Kanai nu Kai, Shimin Gaikou Centre
・Date/Time: 5th July, 13:00-14:30 (Geneva)/ 20:00-21:30 (Japan)
・Language: English
文字起こし
私は具志堅隆松と言います。沖縄で戦争で亡くなった人の遺骨を探して、その遺骨を家族のもとへ返す、そういう風な遺骨収集の活動をしています。
今、お二人の話を聞きまして、非常にこう、何て言うんですかね、家族は自分の身内の遺骨に帰って欲しいという強い気持ちを持っています。しかし、その責任を果たすべき国は、全然果たしてない状況が、私たちの活動の上にはあります。
そして、今お二人の話を聞いていても、国が、あるいは、人骨を研究する学者あるいは博物館が、人間の身体を聖なる物というか、尊厳があるもの、尊重しないといけない物という風な、そういう考えを失くしてしまったのだろうか、単なる研究材料としてしか見ないという風な、そういう風な状況を、今お二人の話から感じました。
例えば松島先生のお話にあったように、本来あるべきお墓から無理やり遺骨を出して、その遺骨を大学の所有物として所有して返さない。松島先生たちのその要求に対しても、門前払いって言うか、全然聞く耳を持たないということに対して、正直なんか不思議なものを感じています。彼らには人間の骨に対する、遺骨に対する、尊敬の念というのが無いのだろうか。本来その遺骨が帰るべき所に返してあげようという、そういう風な松島先生たちの要求に、何も心の痛みを感じないのだろうかということを思いました。
そしてアンドレアさんの話からは、一つの部族が大事にしているものを奪って、そしてそれを自分の所有物とする、その部族の伝統習慣、そういうものを顧みない。しかしアンドレアさん達はそのことに、どこにその自分たちが本来保管していた聖なる物があるっていう事にわかって、それを取り返すための運動を始めたっていう風なこと。それについては、私は非常に勇気づけられるものを感じました。私たちもやはりその京都大学に対して声を上げるべきなんだ、もっと強く上げてもいいんだっていう風な、そういうことを感じました。
お二人の話を聞いていて、その中に出てきた、例えば先住民族の権利に関する国連宣言、そしてユネスコの宣言、そういったものを聞いていると、私たちはそういった国連の宣言についてほとんど知っていなかったという事に気が付かされました。おそらくこの事は、多くの先住民に共通する事ではないかと思います。多くの先住民の方たちは、自分たちに権利があるって言う事に、そういう事にすらまだ気が付いてないのではないかと思いました。
私も今回のこの事に、こういった私たちには権利があるんだっていう事で、実際にこれから日本政府に対して要求しなければいけないっていう風に、その要求が正当なものであるという風な裏付けになる国連の宣言があるという事に非常に勇気づけられて、これから日本政府にも、そしてアメリカ政府にも、この事を私たちは勇気と誇りを持って立ち向かって行きたいと思います。
私は今、国連の先住民族の権利に関する会議に来ております。そしてここで来て初めて、こんなにも多くの先住民の方たちが問題を抱えて、国連にやって来たということを自分の目の前で見て、本当にこう何て言うんですか、私は自分の抱えてる問題を皆に助けてもらいたくてここに来たのですけども、私がここで感じたことは、自分が助かる事だけを相手にリクエストするんじゃなくて、相手も同じように、多くの先住民のグループがそういうリクエストを抱えてここに来たんだっていうことに気がつきました。そのため私が考えたことは、私だけじゃなくて相手も助ける、そして相手にも私を助けてもらう、それが全体で同じようにみんなで助け合うような、そういう風なことが出来れば、そして更に、この先住民の権利ということについて知らないでいる多くの先住民の方たちにも、先住民には権利があると言うことを知ってもらうような、そういう風な活動も含めて、これから行っていきたいと思っております。
ありがとうございました。私の話はこれで終わりたいと思います。